Column

ぱさぱさ黒歴史────現役時のコラム

今(2006年)読み返すと、けっこう恥ずかしいことを書いています。

1999.7.6

がんばったエルコンドルに、会心の騎乗をした蛯名騎手に、最高の仕上げをした厩舎スタッフに、滞りなくレースまでもってきた多田マネージャーに、輝かしい舞台に連れていった渡邊オーナーに、ありがとう。わたしゃほんまに幸せです。

1999.6.23
緊急特集。今年の3月22日付で、私がJRAに出したメール。原文ままです。
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To:project21@jra.go.jp
Subject:about race
ずっと思っていることなんですが、
クラシックや天皇賞などの外国産馬の出走できないG1レース、
地方馬と似たような扱いにしてみてはいかがでしょうか?
クラシックの場合、最大4~6頭くらいの枠を設け、
基本的には賞金ではなく(それだと短距離で賞金を稼いだ馬が有利)
トライアル(2レース以内)で優先出走権を得ていればOKと。
皐月賞なら弥生賞とスプリングステークス、
桜はチューリップ賞と4歳牝馬特別。
ダービーは皐月の上位とプリンシパルステークス、
オークスも桜とスイートピーステークス、
菊は神戸と京都新聞杯。
天皇賞の場合もだいたい同じで、
春の天皇賞なら日経賞と阪神大賞典、
秋の天皇賞なら京都大賞典と毎日王冠をステップレースに。
生産界からいろいろブーイングは発生するでしょうけど、
トライアルで外国産にあっさり負けてしまう馬で争われる
クラシックや天皇賞を勝った馬が年度代表馬にはなれない・・・。
ファンの望むレースなんてことはどーでもいいんですが
(だいたい“ファンあっての競馬”
 なんてファン自身の口からいうことじゃない)
クラシックや天皇賞の価値がこれ以上下がらないで欲しいです。
セイウンスカイがすばらしい活躍を見せてくれましたが
最優秀4歳牡馬はエルコンドルパサーだったこと、
このことが持つ意味は大きいと思います
(エルコンドル応援会の私が言うんですから・・・)。
さらに時期を見て、この枠に外国馬も入れるのがベストでしょう。
(外国馬の出走できないクラシックは、先進国の中では
日本だけではないでしょうか・・・?)
内国産や持ちこみ馬は賞金とトライアルで、
それ以外は地方も外国産も外国馬もみなトライアルで
優先出走権を確保していればかまわない、
ただし最大でもうまく5、6頭で収まるように指定レースを選ぶ。
内国産は絶対に10~12頭は出走できるんですから
これでも優遇していると思いますけど・・・
レースの伝統と価値、どちらに比重を置くかは
あとは売上と相談しながら、ということになるのでしょう。
馬券的興味を増やすには、未知の要素を盛り込むことが一番では。
馬券の種類が増えても、レース自体に興味を持たせられなくては
既存の客層が自転車操業しているだけで終わってしまうと思うのですが・・・
生意気なことをいろいろ書き連ねましたが、
海外や馬主会などからの圧力を受ける前に
あらかじめ布石を打っておくのがよろしいかと。
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ダービーの外国産馬への制限付き(出走枠)開放がもう2年早ければ、とは思わない。エルコンドルパサーがジャパンカップを制することができたのは、クラシックロードという枠組みから離れてレース選択をしてきた結果かもしれないから。

ただ、天皇賞の無制限開放はどうかと思う。それなら現在条件クラスのレースの場合、出馬登録が多い場合には外国産馬が優先的に出走できるという優遇措置も廃止することが本当の意味での開放、平等化ではないだろうか。

ともあれ、外国産馬およびそのオーナーにとっては選択肢が増え、ファンにとっては楽しみが増え、馬産地にとっては苦労の種が増えた。あえて厳しい意見をいうなら、馬産地は商品の魅力を増やす努力を。外国産馬がこれだけ勢力を広めることになった背景には、庭先取り引きという悪しき慣習で新参者には自由に馬を買えない不満、3歳時の完成度不足(賛否両論あるかとは思います)による即戦力の無さが挙げられる。近年は日高などでもトレーニングセールが始まり、ここで競売された馬から好走馬も出ていることから評判は上々のようだが、今回の開放策でダービーに出走できるのならなおさら外国産馬、という馬主は多くなるかと思う。それでも、戦後数十年の間保護政策に守られてきて、競争力を持つ商品を作り出せなかった・・・私が外国産馬好きだから、というわけではない。いつの日か自分も馬主になろうと考えていると、たとえ八大競走に出走できなかったとしても誰しも認める強い馬を、丈夫でコンスタントに走ってくれる馬を持ちたいと思い、そしてそんな馬を提供できないならリスクを負ってまで購入することはできないと思うのです。

恐らく、各所から“国内の零細牧場が滅びる”的な意見が飛び出すかと思いますが、馬もあくまでも“商品”である以上、魅力あるものを提供できないなら淘汰されるのは仕方がないことではないかと私は考えています。

1999.6.20

あの毎日王冠に出走した3頭がその後海外で大活躍することを、多くのファンは夢見ていたことだろう。北米で快進撃をするサイレンススズカ、舞台を欧州に変えて繰り広げられるグラス対エルコンドル。府中に集まった13万人が、各々の希望をそれぞれの馬に託してレースに臨んだことかと思と少し切なくなった。

仇敵・グラスワンダーはまたも脚部不安を抱え、宝塚記念への出走が微妙となった。ひょっとすると、彼の地を踏むことなく競争生活を終えるということもあるのかもしれない。実力を疑う余地はまったくないが、一部を除き賞金的に割に合わないこと、競走馬としてのピークを見誤ってかえって価値を落としかねないリスク、安田記念でまさかの敗退を喫したグラスにとって、海を超える日はまた一歩遠のいたと感じてしまう。もし関係者に意識があるのなら、迷うことなく秋にロンシャンの舞台へ連れていって欲しい。バブルやファビラスラフィンのように、海外を視界に入れながらタイミングを逃してしまった例をグラスには味わってもらいたくないから。

イスバーン賞を少し振り返ってみた。蛯名騎手の騎乗はイスバーン賞というより、凱旋門賞を意識したものではなかったか。よほどのことがない限りは、本番で1番人気ということはないだろう。今回のようにマークされてゴール前強襲される心配より、内に包まれて直線出口が見つからない状態や、大外を回らされることの不利のほうがずっと現実的に危険である。フジヤマケンザンの香港遠征でハクチカラ以来となる日本馬の海外重賞制覇をなしとげた彼はそのこと・・・日本のようにイン強襲や大外一気が通用しない、ダンシングブレーヴが80年代欧州最強馬といわれるのも、不可能と思われていた凱旋門賞での殿一気を決めたからである・・・をよく知り得ており、凱旋門賞と同じ舞台でシュミレーションしていたように思われる。そう思うと以前騎手の腕の差で負けたと書いてしまったが、蛯名にしてみればここでの結果と目標への踏み台としての両方の役目を見事にやりきったといえる。

ステップもいい。休養明けに1800mのレース、中6週で2400mというのは昨年ジャパンカップを制したときと同じで、そのJC当時は相馬眼など持ち合わせていない私の目にも体調のよさが伺えた。今回も順調に追い切りを消化しているようで、体調面での不安はまったくないだろう。また慣れ親しんだ府中と同じ左回りというのも心強く、力を出すのにこれ以上ない舞台である。

ただ、今回のサンクルー大賞典はこれまでのレースとは違った厳しさが待ち受けている。それはヨーロッパでの2400mという距離である。距離の体系化が進んだとはいえ、クラシックディスタンスにはマイルや3000m超とはまったく別次元の超一流どころが勢揃いする。レースの流れも日本のそれとは別物といってよい。現に海外の2000mを超える距離を制した日本馬の例は、はるか40年前のハクチカラ(ワシントンバースデイハンデ)まで溯らなければいけない。武豊ですら、一番人気で騎乗した凱旋門賞のホワイトマズルでは直線前を開けてもらえず馬群に沈んだ。

エルコンドルパサーと蛯名正義にとってサンクルー大賞典は試金石の一戦となるが、出走を予定しているサガミックスやドリームウェルといった“超一流どころ”を相手にすることで力関係をはかることができる。ここである程度の結果を出せるようなら凱旋門が本格的に視界に入ったといえるが・・・

この十数年のうち海外制覇を成し遂げた4頭中3頭は外国産馬だった(フジヤマケンザンにしても、最適距離が1800mと日本のGⅠでは活躍の場を見出せないことが遠征の理由の一つであることに間違いはないだろう)。外国産馬にとっての、アイデンティティを確立するための戦いはまだまだ終わらない。国内の混走GⅠを総なめにし、凱旋門賞やブリーダーズカップをも制して世界に一目置かれる存在となったとき、クラシックホースの、ひいては日本の競馬界の役割とはいったい何なのだろうか。

1999.6.8

ミスタープロスペクターがついに大往生、日本ではアメリカンボスがエプソムカップで重賞初制覇、またアメリカ三冠レースではレモンドロップキッドがベルモントステークスを勝ち、満を持してキングマンボ産駒が活躍。そして絶妙のタイミングで年内引退、来年から種牡馬入りを決めたエルコンドル。

エルコンドル、というより渡辺オーナーにとってすべてが都合良く回ってる気がします。さらに都合良く想像を膨らませるとクロコルージュは実はとんでもなく強くて、キングジョージやブリーダーズカップを勝っちゃったりして。それに半馬身差ということでまたまたエルの株はうなぎ上り(-_-;)。

実際にはこのクロコルージュと(エルに勝ったんだから無様な負けは許さん!という思いもある)昨年の凱旋門賞馬サガミックス、先のエプソムダービーを勝ったオースあたりが現状わかっている凱旋門賞でのライバルでしょうか。そしてこの凱旋門賞で引退という噂がありまして、それが事実なら引退式は府中、それもジャパンカップってことは十分ありえる?まあ国内7戦のうち6戦が府中なんだから中山でやるってことはないでしょうし。

1999.3.25

あまりにも更新するネタがないので(何事も無いのはいいことなんですが)、いろいろとレイアウトをいじってみたり、テーマごとにページを分けたり、あげくの果てに掲示板やらカウンタを作ってみたりしたわけです。“俺はこんなにもエルコンドルが好きなんだぜー”ってノリで作ってただけにはたしてこのページはどのくらいの人が見てるのだろーか?そもそも需要があるのか?という思いは常々あったので、いろいろやってみたはいいけど1日10アクセス、掲示板も私のボヤキばっかりかもしれないと思ってました。

ふたをあけてみるとこりゃびっくり、1週間もたってないのにカウンタは300以上回るわ掲示板にはいろいろ書き込みがあるわで嬉しい誤算です。みなさんご愛顧感謝いたします。

ただ気をつけなければいけないのは、これはあくまで“エルコンドルパサー”がこれだけ人気があるわけで、決して“私”の人気があるわけではないということです(-_-;)。

1999.2.13

去年の今ごろ、共同通信杯で鮮やかに全国デビューしたわけですが、今年は放牧中のエルコンドルを訪ねて木村牧場へ行こうかと思って佐々木調教助手にメールで連絡してみました、「今度の日曜に牧場訪ねてみたいんですけど・・・」がしかし。「あした美浦に帰ってきまーす!」なんともオマヌケな話です。

ここで改めて注意といいますか、みなさんに知っておいていただきたいのですが、これからも牧場や厩舎訪問を事前にこのページや掲示板で告知することはありません。詳細や結果に関しても公開はしません。逆にそういったことを掲示板で(うちに限らず、こーじさんのところでもです)質問しないでください。アクセスしてくる人がみんないい人とは限らないもので。

1999.1.12

もう少し票が割れるかな、と思っていましたがすんなりと最優秀4歳牡馬がエルに決まってうれしい限りです。その他の賞もだいたい収まるべきところに収まった、といえるでしょう。唯一気になるのはアブクマポーロが選考対象外ということでしょうか。驚いたのは短距離馬で1票エルに投じられていたこと。エルコンドルはなんといいますか、トライアスリートやデカスリートのようなオールマイティなところがありますから、ある部門のチャンピオンという感じはあまりしませんが、みなさんはどうでしょう?

特別賞の存在意義は、ひょっとしたら年度代表馬以上かもしれません。スズカ(エルコンドルの応援ページの割によくよく登場しますな)やライス、テイオーのような馬の救済措置というと聞こえは悪いのですが、それでもいろいろなしがらみのある世界で、それでも忘れたくない馬をなんとかとどめておきたい、何かの証を残したい、という気持ちが一番こもった賞ではないでしょうか。

それにしても去年の今ごろはグラスとの比較すら話題にならない、ダート巧者の条件馬だったんですよね。マイルカップを勝ち、ジャパンカップを勝ち、4歳チャンピオンに輝くことを想定できた人はどのくらいいたのでしょうか。私?私は無敗で年度代表馬になると本気で思っていましたから(-_-;)

1999.1.5

もうすぐJRA賞が決定しますけど、年度代表馬という言葉をよく考えてみると、その年度を代表する馬ということです(当たり前やんけ)。その意味通りに捉えれば、タイキシャトルとサイレンススズカ以外に該当はないと思います。確かにエルコンドルやセイウンスカイも素晴らしい成績でしたが・・・。気になるのは最優秀4歳牡馬ですが、これでセイウンスカイが持っていくようだと選考委員会はジャパンカップの存在意義をどう考えているのか吊るし上げる必要があります(-_-;)

現6歳を「最強世代」なんていってたわりに、昨年末は「今年の4歳は強い」などという記事をたくさん見掛けました。これは私が勝手に思ったことですが、その世代の古馬重賞の勝ち数で優秀かどうかを決めるのはちょっと変です。というのは、古馬の層が薄ければ古馬重賞を4歳が勝つのはそう大変なことではないはずで、逆に層の厚い古馬を相手に古馬重賞を勝つようなら、その世代はほんとに層が厚い、ということになると思います。そう考えるとエアグルーヴやタイキシャトル、そしえてメジロブライトといったメンバーを相手にしてジャパンカップやスプリンターズステークス、京都大賞典などを勝った現5歳世代は非常に層が厚く、ハイレベルなんでしょう。それでも98年はスズカの強さばかりが極まっていましたが。

1998.11.30

強かったですねー、ほんまに。なんでも2馬身半はJC史上最大の着差とか。レース前から実は楽勝か惨敗しかないと思っていまして、その根拠などを。

やっぱり毎日王冠ですね、ポイントは。もしエルコンドルの距離適性が1800m前後だったとしたら、スズカとの着差は埋めようがなく、さらに距離が伸びるJCでは掲示板が精一杯かもしれない。でも、もう少し長いほうが実は良かったりすると、1800mベストでしかも究極の、完成された逃げのスズカ(この時のスズカはほんとに世界最強と思った)を最後追いつめているエルコンドルの底力は半端じゃないだろう、ひょっとしてJCは楽勝じゃないか?という仮説を立てていたんですね。

結果はご存知の通り。特にスペシャルウイークもエアグルーヴも、力を出しきってましたから誰も文句の付けようが無いでしょう。

有馬記念を使うか使わないか、それは関係者の決める事ですが個人的には中山の2500mは器用さが要求されるのでちょっと不向きという気がします。思い切って1月なのにフェブラリーステークス。芝・ダート統一王者という勲章を下げて世界征服っていうのも、なかなか面白いのでは。

とにもかくにも、大一番で最高の状態に仕上げた厩舎のみなさん、最高の騎乗を見せてくれた蝦名騎手、いっしょに応援してくれた同志のみなさん、本当にありがとうございます。

1998.11.26

各競馬マスコミでは“外国馬のレベルが低い”“日本馬もイマイチ”なんて声もチラホラ見かけたが、そういう時の外国馬こそ、恐いと睨んでいる。今年も連がらみしてくるのは間違いないと思う。が、確かに「誰が乗っても勝てる!」というほどの馬は見当たらない。こうなってくるとやはり騎手のウデがものをいう。デットーリ、ペリエ、キネーン、アスムッセン。

迎え撃つわれらがエルコンドルも日を追う毎に調子を上げている。今週の追いきり、助手のこーじさんを乗せ62秒3馬なり(南ウッド)はハンパじゃない。体調は問題なし、残るは未知の距離。ジャパンカップは距離以上のスタミナと、類まれな勝負根性を問われる数少ないレースだけに、菊花賞や天皇賞春のような小手先のスタミナでは通用しそうにない。が、世界レコードで2着したオグリキャップだって誰がどう見てもマイラーだったのだ。スタミナを、距離適性を越えるもの・・・きっとエルコンドルにもそれがあると信じて11月29日を待つとしよう。

1998.11.15

回避続出で2週前で6頭と、なんとも寂しい外国馬の顔ぶれとなったジャパンカップ。まあ、国内所属馬はシルクジャスティス、エアグルーヴ、スペシャルウィークと、蹴散らすのにふさわしいメンバーが登録しているのでほっとしている。スローに慣らされた連中相手なら、圧勝しても不思議はない。

これで、最優秀4歳馬と年度代表馬の可能性が見えてきたようだ。来週シャトルが負けるようなことがあって、ここをエルコンドルが勝つようだと最終決定戦は年の瀬に。セイウン、シャトル、エルコンドルの三つ巴か(ブライトは3連敗がけっこうきつい)。シルクジャスティスがJC、有馬を連勝しても代表馬には届かないだろう(その場合はシャトルでしょうね)。

1998.11.1

サイレンススズカ、逝く。これで借りを返すこともできなくなってしまった。奴はほかの馬には負けなかったが、自分との戦いに敗れてしまった。ただ、残念。

8歳にして勝ったオフサイドトラップは、エルコンドルと同じ渡邊オーナーの所有馬。外国馬の祭典ともいえるマイルカップと、内国産の頂点争い天皇賞。両方を勝ち得た1998年は、オーナーにとって至福の年なんでしょうなあ。

1998.10.15

エルコンドルJC参戦正式決定。いろんな掲示板で書き散らしてきたのでいいかげんしつこいかもしれないが、はっきりいって馬よりもコースが敵だ、マイルチャンピオンシップ。京都はダラダラしたコースだからパワータイプのエルに向いてるわけないと思う。もちろん相手も相当強いが・・・。ここでサガミックスとススズを負かせば、欧州のフリーハンデでも相当上位に食い込むだろうなあ。てゆーか勝つ!絶対勝つ!

エルコンドル2着狙い騒動。まったくもう。着狙いの競馬なんてセコい真似、渡邊オーナーやえび生がするかいな。さらに秋に入って重賞2着続きの二ノ宮厩舎が、わざわざまたここで2着を狙うか?ついでに、エルとスズカのあの走り見て何が不満なんやねん?

1998.10.13

待ちに待った毎日王冠。エルコンドルは実はそれほどファンがいないのではないか?単勝3番人気、複勝2番人気がそれをよく表してる。黄疸膜もエルコンドルは結局2枚だけやった。まあ、思った以上に目立つ配色でこーじさんもすぐに気づいてくれてよかったよかった(えるえるさん、ほんまに感謝しちょります)。パドックでのエルはちょっと大人になってた気がした。チャカついてるのではなく、いい感じに気合が乗ってるように見えたが、王者の風格を感じたのはスズカのほうだった。逆にグラスのぜんぜん動じない雰囲気はただの天然だったのか?

レースは皆さんもよくご存知の通り、“俺の距離だぎゃー”とスズカ圧勝。てめー、この後負けたら許さんぞう。

1998.9.18

長いことファンをやきもきさせたエルコンドルの鞍上が、なんと愛しのえび生サマに決まった。8歳にして初重賞制覇、そして連勝を決めたオフサイドトラップはエルコンドルと同じ渡邊オーナーの所有馬。マイルカップではトキオパーフェクトでライバルだった彼も乗り替わりで見事最高の結果を出したことで、オーナーの目に留まったのだろう。

しかし、オフサイドトラップは毎日王冠に出走予定。えび生はオールカマーでミラクルタイム騎乗のためダイワテキサスを手放したが、もしエルコンドルがJC出走となった場合、当然お手馬がかち合うことになる。かといってマイルチャンピオンシップにまわったとしても、ビッグサンデーが黙ってはいまい。この様子からすると、必然的に一戦のみの可能性が高い。これだけの馬なのに、鞍上が定まりきれないとは何とももったいない話。まあ、そんなに先のことより、まずは毎日王冠。

ところでその毎日王冠だが、実際有力馬の大半は目標が後に控えているのだから余力残しの仕上げだろうから、ひょっとするとみな牽制しあって意外とマイネルブリッジあたりが勝ってしまうなんてことはさすがにない。余裕残しでもスズカ、エル、グラス、このうち1頭も連に絡めなかったら、競馬辞めますわ。

1998.9.12

デビュー戦を見た時点でG1の一つや二つ、楽勝だろうと思った。しかし。G1を勝つより厳しい戦いになるとは。毎年のことだが毎日王冠はハイレベルなメンバー構成になる。雨を見方につけたスガノオージを除いて、バブル、ネーハイシーザー、シンコウラブリィ、ダイタクヘリオス、サクラユタカオー、シンガリイッキ(おいおい)などなど、歴代の勝ち馬を並べるだけでも凄まじい。

天皇賞が外国産馬や煽馬に開放されていないこと、東京の開幕週で絶好(とも言い切れないかもしれないが、あえてそうしよう)の馬場コンディション、短距離からクラシックディスタンスまで、次走のローテの選びやすさ、いわゆる“府中のセンハチ、展開要らず”の格言に代表される紛れの少なさ。負担斤量も実力馬有利な別定戦。これだけ条件が揃えば出走馬もハイレベルになろう。それを差し引いても今年の毎日王冠は凄い。

こうなってしまうと、レースのグレードはもはやどうでもいい。出走条件に制約のあるクラシックや天皇賞では実現できない、純粋に“どの馬が一番強いんだ?”という願望を、けっこうかなえてくれそうだ。名勝負はG2にあり、という文章をどこかのページで見かけたが、今年の毎日王冠はまさにそんな文句がレース前から漂ってくる。もちろん勝つのは・・・

1998.9.10

どうせ徹夜で毎日王冠並ぶんだ、横断幕くらい作ってってみようか?ということで、我こそは!という人、デザインや制作をやってみましょかとりあえず部下が考えたのはこんな感じ(エルコンドルダサダサって感じっすね)。

あんまりこみいったデザインは実現困難だろーから注意。

1998.8.17

渡邊オーナー、海外遠征先に香港だけは選ばないで下さい。エルコンドルパサー=“禿鷹飛行”は悲しすぎる・・・

2006-12-15追記:

実際には香港での表記は神鷹でした。メチャクチャかっこいいじゃん。

1998.8.14

橋本善吉は強いものが好きだった。スポーツの王者を決めるオリンピックが好きだった。娘の名前にオリンピックで活躍できるようにという願いを込め、五輪の聖火から“聖子”と名付けるほどの熱の入れ様だった。そんな善吉が優勝劣敗の競馬の世界に足を踏み入れたのも、ごく自然なことだったのかもしれない。

願い通り、夏冬合わせて5季連続出場という大記録を橋本聖子が打ち立てるのは、それからずっと後のことだが、昭和49年、ある一頭の馬が日高の牧場で生まれた。持ち込み牝馬シルと最後のイギリス三冠馬ニジンスキーとの間に生まれたその子の名は、マルゼンスキーという。

マルゼンスキーについてはよく知られている通りである。当時は持ち込み馬に対し、外国産馬と同じルールが摘要されたため、クラシック及び天皇賞への出走は認められていなかった。後の菊花賞馬を子供扱いし、同期よりも1年歳上のトウショウボーイやテンポイントがライバル視されたが、慢性の脚部不安から対決の場であった有馬記念を前に8戦8勝、無敗のまま引退。当時の馬場や調教技術を考えると、朝日杯での1分34秒4は今のどのくらいのタイムに相当するのだろう。あれから20年がたった。

渡邊隆は親子二代の馬主である。ジェネラルスタッドブックが愛読書、という隆は世界の良血に目を向けた。牝系としてサドラーズウェルズやヌレイエフなどの名馬を送り出したソングに注目し、肌馬はサドラーズギャルをそして父もまたソングの血を引いた種牡馬、キングマンボを選んだ。一歩間違えればいわゆる“危険な配合”であるにもかかわらず、隆の“ソングの血を追い求めれば、必ず名馬が誕生する”という信念と神の偶然が、一頭の黒鹿毛の誕生につながった。

マルゼンスキーから20年。関東に、2頭の無敗の4歳馬がいる。3歳チャンピオン、グラスワンダー。そして、エルコンドルパサー。二頭は秋の始動に毎日王冠を選んだ。このレースには宝塚記念馬で5連勝中のサイレンススズカも参戦する。連勝が止まるのは果たして誰なのか。とにかく、マルゼンスキーまであと3つだ。