Column

[2004-8-29] 84頭立てのレースは成立するのか

きのうのウインバリエンテのサマーステークス出走。古馬の準オープンクラスとの能力比較が如実にできたわけだから実に有意義だった。競馬の醍醐味は、馬券検討という形で数値にできない馬の能力比較をそれぞれの脳内で繰り広げることにあるんじゃないかと思う(だから最強馬論争はいつの時代も盛り上がるのだ)。

エルっ仔番付け

さて着順はともかくとして準オープンの芝1800mで勝ち馬から1秒ちょっとの差というのは3歳500万クラスとしては普通に通用するだろう。バリエンテはこれで現段階の能力測定ができたと思うけど、他のエルっ仔はどうなんだろう?そんなことを考えているうちに、いっそ全部まとめて走ればいいじゃんという結論に至った。現在登録されている中央の3歳エルっ仔は84頭。だから84頭立てでレースをしよう。新潟なら直線と内回りと外回りがあるから、それぞれ28頭ずつなら収まるだろう。ゲートスタートは無理っぽいのでライン式でいいよ。鞍上は早いもん勝ち。くじ引きでもいいや。距離はそうだな、4000mくらいあればスタートの紛れもごまかせるよね。時期は来年の今頃にしよう。みなここを目標にちゃんと調整するように。

馬券がすごいことになるな。単勝だけで84通り。馬連組み合わせの公式はたぶん(n2-n)/2だからn=84とすると3527通り、話題の3連単は(n-1)3-n-1で合ってるかな、実に571705通り。理論的には1億馬券も出ますねこれ。ここぞとばかりに登場する予想屋、コーチ屋、須田鷹雄。

パドック解説で84頭の紹介をオオツボモトオにやらせたら面白いだろうなあ。本場場入場も大変だ。返し馬で入り乱れる84頭。「入れ込みやすいんだからあんまり側に寄るな!」「おまえのスタートはこっちぢゃねーだろっ!」挙句の果てにラフィンムードににハァハァしはじめるトラッドスキーム、燃え上がる禁じられた愛。鞍上では年甲斐もなくマッキーのケツに見とれる大先生。いいからレースはじめろよ。実況の中の人も大変だ。

新潟11競走 第一回エルコンドルパサー記念 芝4000m 牡55kg 牝53kg 4歳上 [エ]

「体勢完了・・・スタートしました。あまり揃ったとはいえないスタート、出遅れた馬はたくさんいますね。長丁場、積極的に行く馬はいません、直線スタート組では押し出されるようにビッググラス・・・内回りもダンゴだがトラッドスキームがやや先頭か、何がなんだかわかりません。早くも各馬が合流地点に差し掛かりました。ここで先頭に立ったのが外回りコースから発走したラフィンムード。鞍上牧原由貴子、果敢というよりも何かに怯えるような逃げを打っております。これをピッタリと真後ろからマークするのがトラッドスキームと柴田善臣。交わせそうな手ごたえですがさすがにここは落ち着いています。」

「さて全体の動きを見てみましょう。先頭は相変わらずラフィンムード。このレースで結果を出さないと繁殖入りということで必死になっているのか、すでに初年度の相手はモノポライザーに決まっているという噂も耳にします、それをピッタリとケツ差でマークするのがトラッドスキーム。柴田騎手は笑っています。ここから3馬身ほど離れまして40頭くらいが2番手グループを形成しています。何しろ4000mの長丁場、ペース配分は重要だ。2番手集団の先頭はサクセスアルデンテ、体力には自身があると山内調教師も豪語しておりました。体力とスタミナは違うと思いますがこの際ほうっておきましょう。この中に、この中に、あーいました今年の私の夢、私の夢メジロヒラリーがいました。身重でありながら登録抹消されてないことを理由に出走してきました。この距離でメジロの血が騒ぐか、騒いで欲しい。一番人気のバンブーフィーゴもこの集団の中にいます。3番手集団以降は縦長の展開、ちょっと飛ばしていきますと、2番人気コンドルクエストがここにいた。だいたい50番手くらい、先頭からは25馬身くらいでしょうか。今日は出遅れなかった蛯名騎手、いや出遅れたのですがこの頭数ではあまり問題ではなかったようです。」

「ずーっと見てきます、60番手くらいにブラックコンドル、松田調教師は早くから『このレースは馬主のためにある』と語って並々ならぬ意気込みを感じます。70番手くらいをビッグジェムとビッグクラウンが並んで追走、鞍上の武幸四郎はとなりの西原騎手に何やら話しかけているようです。合コンでしょうか、合コンのセッティングでしょうか。その後ろを福永祐一とゼンノコーラル。レース前にもチャンスは逃さないと意気込みを語っておりました。そして最後方見ますとトーホウファイター、今日は末脚勝負か。さらにポツンとレディリリカル。越後屋と呼ばれた新潟後者、おじのマイヨジュンヌの姿がダブります。今先頭のラフィンムードが1000mを通過、1分21秒、予想通りのスローペースです。というよりも15-15の調教なんでしょうかこれは。」

「2週目に入っても先頭は変わりません・・・おおっとトラッドスキームどうした?ここで2番手につけていたトラッドスキームがズルズルと後退、どうしたんでしょう。おや赤いものが見えます、鼻血でしょうか?鞍上も、鞍上の柴田騎手もトラッドスキームも鼻の辺りが赤く染まっています。これを交わして2番手に上がったのがウインバリエンテだ。この積極的なレース運びは今までとは違います、格上挑戦が彼に火をつけたのか?ラフィンムードを今交わして先頭に立ちました。牧原騎手後ろを気にしています、あー、トラッドスキーム柴田騎手がいなくなったので気が緩んだのでしょうか。2番手にはサクセスアルデンテ、同じ集にデビューした馬どうしの先頭争いになりました。おや?なんだか頭数が少ないように見えます、いや確かに少ないですね。どうやら合コンのセッティングに成功した幸四郎が若手を引き連れてそのまま飲みにいってしまったようです、ずいぶんと頭数が減っています。気を取り直して参りましょう、有力馬がだんだんと先頭との差を詰めてまいりました。」


「さあ最後の直線です。ウインバリエンテよくがんばったがここで捕まった、先頭に立ったのはブラックコンドル、ブラックコンドル、おっと大きくよれた!何かに驚いたのか?この間に先頭争いはチアズアビリティーとエピストラーになった、フェザーレイもきている、コンドルクエストはまだ来ない、大外からトーホウファイターと安藤勝巳!トーホウファイターきた、ここで先頭に立った、残りあと100、外からバンブーフィーゴ!バンブーフィーゴとトーホウファイター、バンブーフィーゴとトーホウファイター、トーホウ粘るかトーホウかバンブーか並んでゴールイン!3番手にチアズアビリティー、4着争いはコンドルクエスト、立て直したブラックコンドル、フェザーレイでしょうか。結局は上位人気馬どうしの決着・・・しかしこの競走は審議、審議となっています。放送席からはややバンブーフィーゴが有利に映りましたがこの競走は審議です、お持ちの投票券はそのままでお待ちください。」

場内アナウンス「ご案内します。ただ今の第11競走、スタート後の直線走路におきまして、ラフィンムード号の牧原騎手とビッグジェム号の西原騎手に対してセクハラの疑いがあったため審議を行います。繰返します・・・」

「どうやら審議の対象は柴田騎手と幸四郎のようです。最後の直線のブラックコンドルの斜行は単独のものですから着順とは関係なさそうですが、確定までそのままお待ちください。」

場内アナウンス「ご案内します。ただ今の第11競走、スタート後の直線走路におきまして、ラフィンムード号の牧原騎手とビッグジェム号の西原騎手に対してセクハラの疑いがあったため審議を行いましたが、牧原騎手には実害がなかったこと、西原騎手は同意の上でということで、到達順位どおり確定致します。繰返します・・・」

「確定しました、1着バンブーフィーゴ、勝ち時計は5分フラット、ハナ差でトーホウファイター、これで23回目の2着です。3着チアズアビリティー、4着争いは写真判定の結果ブラックコンドルとなりました。5着にフェザーレイ、コンドルクエスト6着、掲示板になかなか手が届きません。私の夢メジロヒラリーはつわりのため競走を中止、そのまま出産となりました。母仔とも無事とのことで喜ばしい限りです。新潟生まれのメジロの馬というのもなかなかよいのではないかと思います。第二回は3歳上の地方交流戦に条件変更ということで、フルゲートは200頭を超えることは間違いなさそうです。では、マイクをスタジオに返します。」


などとわけのわからないことになるのでだめですね。