Column

[2006-12-24] もうひとつのクリスマスグランプリ───第二回エルコンドルパサー記念

覚えているだろうか、かつて84頭立てのレースがあったことを───

最強は誰だ?

2006年も残すところあとわずか。今年はエルコンドルパサー産駒最後のクラシックということで、みなさん期待と不安の入り混じった目でエルっ仔の活躍を見守ったことでしょう。まさかこんな劇的な結末を迎えることになるとは予想だにしませんでした。来年以降新たなエルっ仔が登場することはありませんが、まだまだ元気な姿を見せて欲しいものです。

ところで、ここ最近「最強のエルっ仔は誰なのか?」という疑問が脳内を渦巻いています。そういえば前にも似たようなことがありました。そーです今回の結論も同じです、いっそ全部まとめて走ればいいじゃん

エルっ仔番付再び───

とはいえ、いくらなんでも全部のエルっ仔を同時に走らせるわけにもいきません。競馬場の問題はどうにでもなるのですが、抹消済みの子もずいぶん増えましたし、そもそもすでに父の元へ旅立ってしまった子もいます。そこで各世代成績上位のエルっ仔による選抜戦にしたいと思います。そのほかファン投票による人気上位のエルっ仔も出場資格があるとしましょうか。だんだんグランプリっぽい感じになってきました。さっそくノミネートされた精鋭たちを見てみましょうか。

出走世代プロフィール

2001年産───

記念すべき初年度産駒、代表はコンドルクエスト。そして年末といえばビッグ三羽烏、さらに本気になったら一番怖そうなモエレエルコンドルらが長兄としての意地をみせてくれるでしょう。

ファン投票選出馬5頭
コンドルクエスト、ビッグクラウン、ビッググラス、ビッグジェム、モエレエルコンドル
エルコンドルパサー記念実施委員会推薦馬5頭
バンブーフィーゴ、エレアシチー、トーホウファイター、ウインバリエンテ、ルースリンド
2002年産───

“深紅のエース”ヴァーミリアンを筆頭にスタミナ無尽蔵のトウカイトリックやスピード自慢のアイルラヴァゲイン、白い稲妻シルクタイガー、など個性豊かな面々、さらにアドマイヤメガミをはじめ牝馬勢が充実しているのもこの世代の強みです。

ファン投票選出馬5頭
ヴァーミリアン、トウカイトリック、アイルラヴァゲイン、シルクタイガー、アドマイヤメガミ
エルコンドルパサー記念実施委員会推薦馬5頭
バンブージーコ、アスピリンスノー、ウエスタンクィーン、マイネルエクセラン、クリノダイマオー
2003年産───

栄えあるG1ウィナーのソングオブウインドとアロンダイトを擁する世代バトルの本命です。他にもイースター、アペリティフ、ダンディーズケアと実力派揃い。

ファン投票選出馬5頭
ソングオブウインド、アロンダイト、イースター、アペリティフ、ダンディーズケア
エルコンドルパサー記念実施委員会推薦馬5頭
ウイングビート、カルナバリート、オープンセサミ、ラピッドオレンジ、バンブーワールド

レースにあたって

前回は新潟芝4000mで施行されましたが、これでは圧倒的にトウカイトリックが有利と他の世代からクレームが上がりました。そのため極力公平な条件を検討した結果、芝とダートの両方を使い、かつメドレーリレー方式にする案を採用することとなりました。詳細は以下の通りです。

開催場所

新潟は雪で中止となる恐れがあるため中央4場のいずれかを検討した結果、阪神と中山は現在開催中であること、京都は順番待ちの間に池で遊ぶ馬が出る可能性があることから、無難に府中での開催とします。

距離・条件

最初に芝1600m、続いてダート1400m、ダート2100m、最後に芝2400mの合計7500mとなります。各世代それぞれファン投票選出馬及び実施委員会推薦馬を含む20頭を4頭×5組編成として勝利を競います(各組には必ず1頭以上牝馬が含まれている必要があります)。なお「真の最強馬はあらゆる条件を克服する」というオヤジ様の遺言により、7500mを単独で走る馬を各世代1頭ずつ用意して頂きます。つまり5組+1頭×3世代のフルゲート18頭となります。

判定

本競走においてはチーム優勝と世代優勝の2つの基準があり、チーム優勝は馬券の対象世代優勝は賞金の対象となります。1着から順に30、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0、-5、-10、-15、-20ポイントが与えられ、各世代の総獲得ポイントにより世代優勝を競います。優勝世代には3億円、2位には特に何もなし、最下位世代は優勝世代に対し賞金の支払い義務が発生します。

東京1競走 第二回エルコンドルパサー記念 芝/ダ7500m 3歳上 [エ]

3・4歳牡57kg 牝55kg 5歳牡55kg 牝53kg 8枠5kg減 1位賞金 3億円 2位 0円 3位 -3億円

出走馬
第一走馬(芝1600)第二走馬(ダ2100)第三走馬(ダ1400)第四走馬(芝2400)人気
1 1 - コンドルクエスト スペースリーダー ジュークジョイント エレアシチー 51.4
2 - アイルラヴァゲイン ワキノエクセル ダイゴカムイ トウカイルナ 39.6
2 3 - ホーリーミスト アロンダイト オーキッドコート ミストラルクルーズ 4.2
4 - フェザーレイ ウインバリエンテ ゼンノコーラル リキッドノーツ 66.3
3 5 - ナイトランブラー ユースフルデイズ リスキーアフェア トウカイトリック 45.9
6 - ダンディーズケア スズノマグマ ウイングビート アフェランドラ 25.4
4 7 - アドマイヤダンサー ビッグクラウン ルースリンド トーホウファイター 96.3
8 - プライムアクトレス ヴァーミリアン クリノダイマオー アスピリンスノー 5.5
5 9 - ガーネットスター バンブーワールド プロセッション ナイトレセプション 77.0
10 - エピストラー ブラックコンドル ビッグジェム バンブーフィーゴ 87.6
6 11 - クリソプレーズ エイシンラージヒル エアワイクリフ マイネルエクセラン 50.3
12 - ゴッドスマイルユー カリオンツリー エプソムメサイア ソングオブウインド 3.5
7 13 - パラダイスバード ビッググラス シュウザンコンドル トーセンリッジ 44.9
14 - アドマイヤメガミ バンブージーコ トネノヒカリ シルクタイガー 30.5
15 - イースター プラジェラート カルナバリート アペリティフ 15.3
8 16 - モエレエルコンドル 193
17 - アップドラフト 212
18 - ラピッドオレンジ 293

展望

「たくさんの競馬ファンがディープインパクトの最後の勇姿を見るために中山競馬場を訪れていることでしょう。その裏で、グランドオープンを来年に控えた府中競馬場では、第二回エルコンドルパサー記念が行われようとしています。実況はワタクシスギモト、解説はいつものようにO坪モトヲ氏にお越しいただいております。」

「早速ですがO坪さん、各世代のエルっ仔の再確認にもなるとエル基地には大変好評のようですが、我々としては良く知らない馬もずいぶん多いようです。」

「こうしてみるとエルコンドルパサー産駒というのはずいぶんバラエテーに富んでいるといいますか、いろんなタイプがいることに改めて気がつきますよ。」

「確かに菊花賞を勝ったソングオブウインドやトウカイトリックのようなスタミナ自慢もいれば、1200mをタイレコードで走ったアイルラヴァゲインもいる、そしてダートでもアロンダイトやヴァーミリアンがいる、これは馬券を買う側にとってみるとなかなか傾向が掴みにくいですね。」

「バーミリアンなんかは2歳の時に芝の重賞も勝ってるわけですからねぇ、今回の条件がよく似合う1頭でしょう。」

「ただ、牝馬がちょっと弱いかな、という気がします。」

「そうですねぇ、特に良血にオンナ馬が多いというのはですねぇ、お父さんがもういませんから競走はほどほどに早く引退して繁殖入りしろ、ということなのかもしれませんねぇ。」


「それではパドックをを見ていきたいと思いますが、何しろ60頭以上おりますから全馬をご紹介するのはちょっと大変です・・・リレー方式ということで、有力チームからピックアップしてみましょうか。単勝1番人気の組み合わせは12番でしょうか、菊花賞馬ソングオブウインドが人気を集めていると思われます。ソングオブウインドは落ち着いていますね。」

「香港で怪我をしたという噂が流れましたが、幸いカスリ傷程度だったようです、ただ陣営は『このままケチのついた状態で年を越したくない』と急遽グランプリ参戦を決めたのでちょっと急仕上げな感じがするんですよね。」

「むしろ有馬記念に向かうという選択もあったと思うんですが、いろいろ事情があるのでしょう。続いて2番人気は3番チーム、こちらはアロンダイトが引っ張ってる感じですね。」

「こちらのほうが全体のバランスがいいですよ、12番チームは休み明けのカリオンツリーという不安材料がありますからねぇ。」

「そして3番人気は名古屋で圧勝したばかりのヴァーミリアンが主力の8番チーム。」

「バーミリアンは当初8枠の個人メドレーとして出る予定だったんですけどねー、何とかアップドラフトが間に合ったのでチーム戦に回ったんですよ。」

「そのあたりが総合成績にどう影響するかも注目されます。この3チームが人気の中心ですが他に気になるチームを挙げるとしたらどうでしょうか。」

「バランスのよさそうなのは6番と15番ですねぇ、あとはみな一長一短じゃないでしょうか。」

「そうですか。最後に大外8枠には個人メドレー馬が入ってます、ここを捨てて総合成績を取るか、なんとしてもビリだけは避けるか、といったところですが、このあたりも各世代の思惑がありそうですね。」

「難しいところでしょうねえ。ヴァーミリアンのような高いレベルにある両刀使いを出すと、今度はリレーのほうで戦力不足になりますしねぇ。」

「01世代はモエレエルコンドルの潜在能力に賭けたようです。確かに協調性があるようには思えませんので好判断かもしれませんね。02世代代表のアップドラフトについてはO坪さんどうでしょう?」

「この馬は故障明けでプラス35kgと明らかに重め残りなんですけどねー、エルコンドルパサー産駒の中でもトップクラスのオールラウンダーですから、要注意でしょう。」

「そして大外18番のラピッドオレンジですが、オールラウンダーとしては平均よりやや上といった程度でありますが、8枠のみ5kg軽いという、恐らく斤量面での恩恵を意識してのことと思われます。」

「調教も本来の素早い動きに戻ってきてますから案外勝っちゃうかもしれませんよ?」

「ではそろそろまとめに入りたいと思います。」

「どのチームも得意ではない条件で走る馬や休養中を無理やり走ることになった馬がいますから、そういった部分のマイナスをどれだけ減らせるかが取捨のポイントでしょうねぇ。そういった意味で最も死角が少なそうなのは11番チーム、逆にマイナスを補うだけの破壊力という点で3番、字面通りにきちんと走れば15番、あと大穴狙いでは1番と14番と思います。」

「ありがとうございました。O坪さんの予想は11番、3番、15番、穴狙いで1番14番ということです。」

出走

・・・どうします?結末をそれぞれご想像下さい、じゃダメですかね。