About Elcondorpasa
観戦記が見つかりました。
1999年7月4日、おフランス。
いよいよ出走───
16時、パドックへ。心なしかゼッケンと鞍が日の丸に見えました。残念なことに、ここから先は光漏れのためほとんどまともに写ってませんでした。よりによってこんなときに。が神は私を見捨てていなかった。みっきー2さんに借りたカメラで連れの撮った写真があった!
パドックで“蛯名さんがんばって!(こればっか)”と声をかけたがぴくりともしない。らしいといえばらしいんですが。たった2周で、もう本馬場入り。意外とあっけない。しかし入れ込むような馬はいない。さすが欧州の超一流馬たち。
そしてターフビジョンに光るゼッケン8。他の馬がみんな返し馬に向かっても、蛯名騎手はじっくりとエルの体をほぐしているようでした。さあ、行ってこい!
なんだかよくわからないうちにゲート入り、前触れもなく発走。一頭なんか出遅れたように見えた。エルではなさそうでほっとする。どうやら4番手くらいにつけたようだ。ラップタイムが出ないのでハイペースなのかスローペースなのかよくわからないが位置取りはJCと似たような感じに見える。ターフビジョンに映し出される姿を見る限り、気持ちよく走ってそうだ。
直線間近。ここまできたらターフビジョンなんか見てられない。でも遠い。赤・黄・青の勝負服が見えるということは、先団にはいる!
残り300mくらい?持ったまんまのエルに我が目を疑う。先頭だ先頭だ先頭だ先頭だ先頭だ!残り100mくらいだろうか。もう逆転はないと確信、絶叫。
夢にまで見た瞬間
・・・この後はもう何がなんだか。なんか気がついたら高橋直子さんが目の前にいて、「いっしょに抱き合う人がいないのー!」とかなんとか。そばにいた日本人と絶叫、握手、抱擁、万歳。※どうやらこれが全国のお茶の間に流れたようです。
着順掲示板に上がった1着8番。でも↑な感じだったので、2着もタイムもさっぱりわかりませんでした。周囲に聞いても誰も2着が誰だかわからない。圧勝したんだー、と思ったら涙がボロボロ出てきて・・・ふと気がつくとエルがいない。おりゃ?
ターフビジョンのエルの隣に日の丸が。また涙止まらず。2コーナーのほうから、最後にエルが戻ってくる。涙腺開きっぱなし。蛯名騎手とエルに「おめでとう!」と声をかけると、今度は会心の笑みを見せてくれました。日本と比べたら少ない観客でしたが、エルコンドルに対して贈られた現地の人の暖かい拍手がなんか嬉しかった。
もう大人気って感じ。表彰式での蛯名騎手の表情がたまらんです。してやったりのオーナー、そしてめったに笑顔を見せない二ノ宮先生もこの日ばかりは特別。ほんとうに、おめでとう。しかしこのフランス人の禿げ、でけぇ・・・
そしてこの後ぶらぶら歩いていると、なんども現地の人に声をかけられ、握手を求められました。そんなにわたしゃ大騒ぎして目立ってたんだろうかと思ったら、エルコンドルジャンバー着てたから関係者と間違われてた可能性が・・・
おみやげとは別に単勝50F購入したが、恐れ多くて換金できなかった。200F購入した連れはさっそく換金。19時半くらいに市街地に戻る。国際電話で翌日のスポーツ新聞を買いあさるよう指令を出す。
20時。連れとみっきー2さんと祝勝会。でも明るい。今日のお酒が飲めるのは、エルコンドル(と換金した連れ)のおかげです、と。関係者やプレスの方、他の日本人客、そして日本で応援していたファンも今ごろ一杯やってるんだろうな…「…今回使い残したフランを、両替しなくていいのが嬉しいですね…」というみっきー2さんの言葉でまた泣きそうに。そうなんだよな。夢の続きがまだあるんだよな…
祝勝会後、22時ごろホテルに到着。でも明るい。ベッドに入っても、ずっと(・∀・)ニヤニヤ。
7月5日
今日で帰国。日本から持ってきた柿の種をフロントの女性に渡す。好感度300ポイントアップ。街に出てさっそくParisTurfを買いあさる。おおおおお!一面トップだ!
7月6日
帰国。とりあえず写真を現像。ところが…写ってなかった。部下、1800ポイントのダメージ。10月にまた夢の続きを見に行くことを堅く心に誓うのであった。
帰国後初めてネットに接続してびっくり仰天。ものすごい掲示板の書き込みの量と、カウンタの増え方。やっぱりエルのやったことはすごかったんだな。しかし、わしらがグリーンチャンネルや朝のニュースに映ってた、という書き込みを見て連れと仰天。一生の不覚。